2016年8月28日日曜日

一言カウンセリング④~「過去の経験は消すことはできない。だが思い出にはすることはできる」~


「過去の経験は消すことはできない。だが思い出にはすることはできる」

トラウマ。正式には『心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)』。
通称『PTSD』とも言われますが、もはや説明の必要もないほど認知された言葉です。

本来の意味合いは、
生命が脅かされるような出来事(戦争・天災・事故・犯罪・虐待)などによる強い精神的衝撃が原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしている障害。
ということなのですが、そんな細かいことは言いっこなしでしょう。

言葉の意味は時代とともに移り変わってゆくもの。
「過去の経験によって現在の日常生活に不具合をきたす状態」
そんな風に若干広い意味で定義してもよさそうな気がします。

そのトラウマ。
カウンセリングをしていると、相談者本人からトラウマについて語られることは少なくありません。

そんな方たちの中には、
「過去の出来事は変えられない。だから一度トラウマを負ってしまったらもう立ち直れないんだ」

そう嘆く方もいらっしゃいます。
確かに、過去の経験は変えることはできません。
それこそ、私の大好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てくるタイムマシン・デロリアンで過去に戻りでもしない限りは、過去の体験をなかったことにはできません。

しかし、経験を『消す』ことなく、『乗り越える』ことはできるのです。

トラウマから起きる症状の多くは、過去の出来事と本来は関係性がない現在の出来事を繋げてしまったり過剰に反応してしまうことから起きます。
過去の経験が現在まで継続していると言ってもよいでしょう。

どうして出来事としての経験はすでに終わっているのに、心でで感じる経験は終わらないのでしょうか。
一言でいうと、
「感じきれていない」
ことが原因です。

『悲しみ』という感情で例えてみましょう。
とても大きな悲しみがあった時、ある人は湧き上がる感情のままに涙を流し、大声で喚き、悲しみを表現します。
すると、不思議なことに気持ちがすっきりとして切り替えられる時が来ます。
経験あるのではないでしょうか?

逆に、悲しみを押し殺し、自らの感情を否定した時、いつまでも心にしこりが残ったような状態が続きます。
たいしたことないと自分では思っているのに、いつまでもモヤモヤが消えない。
これも経験ある方もいるのではないでしょうか。
それが、「感じきれていない」状態です。

人は経験をしっかり受け止め、感じきることができると、
『体験・経験』を『思い出』として整理できます。

悲しくなくなるわけではありません。
思い出すと悲しみはあるでしょう、しかしそれは
「悲しい」ではなく「悲しかった」に変わるはずです。

トラウマは消すことはできません。
しかし、過去の出来事として整理することはできます。

その為の技術が心理カウンセリングはたくさんあります。


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