2016年2月9日火曜日

劣等感という武器


ここ数年、心理学系の本ではアドラー心理学の系統が人気なようです。
丁度今NHKの『100分de名著』でもアドラー心理学がテーマとなってますね。

アドラー心理学の特徴として『劣等感』がよく挙げられます。
『劣等感』というと一般的にはあまりよいイメージのない言葉ですが、
アドラー心理学での劣等感の位置づけを強引に一言で言うなら、
「人は劣等感があるからそれをバネに頑張るんだ」
そんな感じです。

確かに、人が劣等感を克服する為にする努力には大きなモチベーションが伴います。
以前、ある本で読んだエピソードなのですが、
あるサル山のボスは、以前のボス争いで敗れた傷が元で隻腕(片腕を失ってしまった)だったそうです。
「ハンデがあるほうが強いんだ」という教訓を含んだエピソードだったのですが、
人ではない動物でもハンデをバネにより強くなるということはあるのかもしれませんね。

しかし気をつけなければならないのが、
劣等感を克服する為に努力する際に、打ち消すことが目的になってしまうのは危険だということ。
ハンデや劣等感をなかったことにするかのように、認めずに積み重ねる努力はどこかで破綻してしまうことも少なくありません。

劣等感をバネにして自身を成長させる為には、その劣等感を抱いていることをまずは自身が認めることが前提となります。
それは時には、自分の弱さや劣っていることを自身が認めるという、とても辛い段階があるかもしれません。
しかし、そんな段階を超えたからこそ、自身の劣等感と向き合い、認められたからこそ、
その劣等感を逆に利用した発想が得られたり、克服する為の方法が見つかるものだと思います。

劣等感を克服するということは、
弱い自分を見てみぬ振りをして強がるということではなく、
弱い自分を認めて、そんな自分を強くするための奮闘なのです。
そんな勇気が劣等感を武器にすることができるのだと思います。

そして、その勇気こそが他の何にも変えがたい武器になるのだと、そう思います。

結局はありのままの自分が一番強いということ。たるみでした。


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