2015年9月11日金曜日

自分の気持ちに正直である


 今日は私の祖母の誕生日。
確か今年で94歳だったと記憶しています。

幸いなことに大きな病気もなく、認知症も患わず元気にしています。
とはいえやはり年齢に応じて老いはしており、足を悪くしてあまり歩いたりはできません。
耳もずいぶん遠くなり、物忘れも多くなっています。

私は子供の頃からおばあちゃん子というやつでして。
祖母の家も近かったこともあり子供の頃からたいそう可愛がってもらいました。
それは今も変わらず、実家に帰る度にもう40になろうかという私に、
「なにか欲しいものはないかい?」
そんな風に世話を焼こうとしてくれます。

祖母からすると私はいくつになっても小さい頃の孫なのでしょうね。
そんな祖母の接し方が照れくさくもあり嬉しくもあります。

しかし、現実的に祖母は老いていくわけで、
かつてに比べて『出来ないこと』も増えました。
本当に優しく、何でもできて頼れる祖母は、今では同居している母の手を借りなければ、不自由のない生活は難しいほどに老いてきています。

そんな祖母の老いに対して、戸惑いを感じたことも正直ありました。
頼りがいや尊敬を持っていた対象が、自分の手を借りる必要がでてくることは、
やはりなんともいえない寂しさや切なさ、悲しい気持ちを感じさせます。
だって、見たくなかったんですよ。年々弱くなってゆく祖母を。

もしモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、今も変わらず戸惑っていたとしたら。
きっと私は祖母と会うことに苦痛を感じていたかもしれません。
しかし、私はその時の自分の気持ちと向き合いました。

そして様々な感情が渦巻いていることに気付きました。
そこには、ネガティブな感情もたくさんありました。同時にポジティブな感情もあることにも気付きました。
そうして、清濁併せ呑むとでも言いましょうか。
自分の内にある感情を全て包み隠さず、認めてみました。
すると、祖母に対する感情がとてもすっきりと純粋なものになりました。

自分が心に携わる仕事をしていてよかったと。そう思えた時でもあります。

カウンセリングの場でも、介護や子育て、人間関係がテーマになることは多くあります。
そんな時、相談者の方の多くに共通することは、
『戸惑い』『混乱』『隠蔽』
などの自分自身への明確にできない感情を持つということです。

自身の感情を認めることができず、表現できないモヤモヤとしたものを感じ続ける。
それは時としてネガティブな感情以上に我々を苛みます。

簡単に言うと、「嫌だ!」って正直に認められればまだマシなんですよね。
そんなこと言っちゃいけない。思っちゃいけない。
そう感情を誤魔化してしまうことが一番苦しかったりします。
嫌なら嫌で、そこから「じゃあどうすればいいか」と考えることもできます。

ネガティブな感情というのは受け入れ難く、否定してしまいがちです。
しかし間違いなく自分の中にあるのなら、見て見ぬふりはどこかで破綻してしまいます。
しっかり見て、向き合って、そして対策を考えることが、解決のはじめの一歩です。

一日遅れたけど明日祖母への手紙を出します。たるみでした。

※お知らせ
教材用のカウンセリングDVD制作を計画しています。
つきまして、ボランティアでクライエント役をして頂ける方を募集しています。
興味のある方は下記宛先『名古屋 栄カウンセリング』までメールでのご連絡お待ちしています。


垂水俊輔のカウンセリングの詳細やお問い合わせはこちら
❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈
名古屋 栄カウンセリング
 URL:http://sakaecog.web.fc2.com/
 
❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈・❈