2015年8月31日月曜日

矛盾を受け入れる



昨日の記事で、『バンドワゴン効果』という心理効果について書きましたが、
実は逆の効果もあります。

『アンダードッグ効果』 というもので、
不利な状況にあるものに手を差し伸べたくなる人間の心理の表れです。

特に日本人はこのアンダードッグ効果が顕著であるという説もあり、日本には『判官贔屓』という言葉もありますね。判官贔屓は、源義経の生い立ちに対する日本人の心情をさす言葉で、
「弱い立場に置かれている者に対して同情を寄せてしまう」
そんな心理現象として、同情や哀惜の心情ともいえます。

確かにスポーツや勝負事では、劣勢や苦しい状況の方を応援してしまう、
そんな覚えがある方も多いのでは?

この『バンドワゴン効果』と『アンダードッグ効果』はまったく逆のことを言っているわけです。
優勢な側に与したくなる心理と、劣勢側の味方をしたくなる心理。

どちらが本当なのでしょうか?

答えは、どちらも本当、でしょう。
そもそも、人の心の働きはこれという一つの答えが出せるほど単純なものではありません。
時には、自分でも理解のできない判断をしてしまうことだってあります。
無意識の領域では、矛盾や相反するものが同時に存在しており、
本人にすら意味のわからない部分がたくさんあります。

だからこそ『無意識』という言葉がしっくりくるわけですが。
そんな無意識という概念を取り入れたことで、心理学というのは大きな発展をしました。

しかし、その無意識というのは実際に存在するのかは確かめることはできないものです。
そんな不確かなもので心の働きを理解してもよいのか、という批判も多いのですが、
実際の人の心は、やはりどうしようもなく不確かで理解不能な部分がたくさんあります。
理屈で説明することは到底できないと感じます。

だからこそ、理論はあくまで知識の目安として持っておくのは当たり前のこと。
その上で、目の前にいる人の心に先入観や決め付けをせずに関わっていくことが、
心の専門家としては求められるのでしょう。

一人ひとりに個別のカウンセリングを。たるみでした。

 
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