2015年8月25日火曜日

精神疾患という言葉とイメージ



最近嫌な事件が多いですね。
事故や自然災害の脅威、国同士のきな臭い話も残念ながら多いですが、やはりワイドショーなどを見ていると人間の起こす事件は視聴者の関心も高いのか耳に目に入る機会は多いです。

事件が起きると、加害者の心理面や精神状態などについての話題も以前に比べるとずいぶん多くなった気がします。
『心の問題』というのに対する関心が高まるのは決して悪いことではないのですが、どうもネガティブな話題の時ばかりに集中する傾向を感じます。

そしてそれら報道が、一例や特殊な場合に偏っているのも気になるんですよね。
特に加害者が精神疾患を患っている場合などは十把一絡げで、
「その疾患をもている人は危険ですよ」
と受け取ってしまいかねないような報道を見るたびに悲し気持ちになります。

私は仕事柄、精神疾患を持ち、通院している方と関わる機会も多いです。
そんな方たちの中には、報道によって自身の存在に対して劣等感を感じたり、心のバランスを崩される方もいらっしゃいました。
そもそも、精神疾患と一口に言うことはできないほど、その症状は多岐にわたっており、更にそれがきっかけで犯罪に走る方などは本当にごく一部です。
そもそも、犯罪(特に世間の興味を引くような猟奇的、ショッキングなもの)は社会的、環境的なものも複雑に絡み合って起こることが多く、精神疾患だって一つの要因として考えられる、程度のことなのですが。

人というのは、『怖いもの』や『理解できないもの』は怖いものですから、何とかして納得して安心しようとするんですね。その時のスケープゴート(生贄)として、「よくわからないけれど聞いたことがあるぞ」という言葉は都合がいいのかもしれません。

そのような極端な考えで偏見をもつ方は決して多くはいらっしゃらないと思います、しかし精神疾患を持つ方たち当人にしてみると、一部の心無い人の言葉であっても繊細になっている心には深く傷をつけてしまうこともあります。

ちなみに、法務省が発行する『犯罪白書』では検挙された一般刑法犯の中での精神障害者の比率は0.9%となっています。この数字、決して多いといえる数字ではないはずなのですけどね。

やはり、より社会の中での精神疾患や『心の健康』に関する知識を正しく持つことや、偏見をなくすことが望まれます。そうすると、精神疾患を持った人たちにとっても感じなくてもよいプレッシャーを減らすことに繋がり、結果的に治療や社会復帰の促進にも繋がるのではないかと思います。

我々のような職業の者たちもそのための啓蒙は必要なのだ責任感を持っています。たるみでした。


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