2015年5月23日土曜日

カッコーの巣の上で行われていること

もう夏も近いのでしょう。日中に窓を開けているとカッコウの鳴き声が。
まだ練習中なのか時折つまりながらも高い澄んだ声を響かせていました。

カッコウ(郭公)の生態として特徴的なものに、『托卵』があります。
オオヨシキリ、ホオジロ、モズ等の巣に卵を産み、その巣の親鳥に育てさせるという習性で、孵化したカッコウの雛は巣の持ち主の卵や雛を巣の外に押し出してしまうというもので、自然界での片利片害と言われる関係です。

そんなカッコウ、托卵の習性から『ズルい』というイメージを持たれることもしばしばです。
確かに託卵されたモズたちからするとたまったものじゃないでしょうが、自然とは過酷で残酷なもの。むしろ、もしその習性が種の存続に不適当であるなら絶滅しているはず。

ならば私は敢えて『ズルい』ではなく、『たくましい』と感じます。
生きる上での倫理や良識は大事ですが、そちらを重視しすぎて本人が生き辛くなってしまっては本末転倒な気がします。

『使えるものは使う』
これが生きていく上で必要なことなのではないかと思います。
どうしてこんなことを言うのかと思われるかも知れませんが、カウンセリングでよく起こるジレンマだったりします。

クライエントが自身の悩みの解決の方法を思いつくものの、
「それは卑怯なのではないか?」
「自分だけズルなのでは?」
「自分はそれでいいけど誰かに迷惑がかかるのでは?」
と躊躇することがあります。

私の個人的な価値観ですが、
解決したいと願い、その有効な方法が思いついたのならば、
実行することに躊躇う必要はないと思っています。

ただし、
躊躇は必要ないけれども、検討と覚悟は必要だと思います。

検討とは、それをしたらどうなるのか という予想。
その行動を起こした時にどのような結果が予想出来て、その結果が自分にどのように影響するのか。
起こりうる可能性をシミュレートし、自分は本当にそれを望むのかを今一度検討する。
そうした上で自分が下した判断に責任を持つ覚悟こそが必要だと。
そうして覚悟したのならば、どのような判断でも私は認めます。

カウンセリングは基本的に率先して指導や助言はしませんが、必要であリそれが有効なタイミングであると判断した場合は私は助言や提案もします。
勿論その時は自分の判断に責任と覚悟をもって、です。

目的はカウンセリングを提供することではなく、クライエントのニーズに応えることなのですから、
そのために使えるものはなんだって使うことが、クライエントのプライベートでセンシティブな話を聞くカウンセラーに求められる役割なのではないでしょうか。


映画『カッコーの巣の上で』を久しぶりに観たいと思いゲオにいく道すがらのたるみでした。


※お知らせ
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