2014年7月18日金曜日

脱法ハーブの報道に対して

ここ最近急速に話題に取り上げられるようになった脱法ハーブ。

僕が学生の頃からあったので20年近く前から気軽に買えたと思うのだけれど、なぜか最近急に脱法ハーブ吸引が原因の事件が増えていますね。
体内摂取により、興奮、催眠、幻覚・幻聴などの作用があり、位置づけとしては『法律に触れない気軽なドラッグ』という印象だった。
法に反しないとはいえ、実は体内摂取は薬事法的に違反なので、名目上は『観賞用』として販売されていることが多く、いわゆるスキマをすり抜けるものなわけですね。

勿論肯定するつもりはないし、依存性や毒性(原料も不明なものが多く、ある意味麻薬や大麻よりも怖い)も認められるということなら、
厳しく取りしまうという流れが当然ではあると思う。

今日はそこではなく、別の所に疑問を感じたのでそこについて少し。

まずは極論として、あくまで個人的な意見なのだが、自己責任でやるのであればどうぞご勝手にと言いたい。
蔓延して、分別や責任能力のない未成年にまで広がるのは絶対避けなければならないことだが、
いい大人が自宅で幻覚や幻聴楽しんでアッパーになりたいというなら、それはもう自己責任でやったっていいのではないかとちょっぴり思う。
お酒だって飲んだらハイになって依存性あるわけだし。
なら酒類も規制しなやいけなくなるし。

だが、ここ最近の事件は、脱法ハーブを吸引して車を運転して事故を起こすという、もう根本的に脱法ハーブが原因というよりも、
その人のモラルや常識が疑われる。
どうして脱法ハーブ吸って車の運転する?
家で一人で楽しんでりゃいいじゃないかと思う。

実際、脱法ハーブが出まわって随分経つが、そんな事故はあまり耳にすることはなかった。
そこで感じたこととして、報道による知名度の上昇という要素があるのではにだろうか。

今まで存在も知らなかった脱法ハーブ、しかしきっかけとなった事件をワイドショーでやたらと取り上げているのをみて興味をもった、
そんな人も多いのではないだろうか。

重ねて言うが、僕は別に脱法ハーブを容認しているわけではない。だが、きちんとルールや節度、周囲への迷惑を考えてひっそり楽しんでいるオールドファンに対しては、別段怒りを感じることはない。確実に体や心に良い影響は与えないだろうが、それも含めて自己責任だ。
それが、話題になったことで一般に存在が浸透してしまったという事実はあるのではないかと思う。

もしマスコミが、話題に挙げることで世論の力を借りて脱法ハーブ全撤廃を意図しているのならそれも戦略の一つだろうし、是非は別として納得する。
しかし、話題や目新しさ先行で無責任に存在を広めているのなら、それはもはや広告塔になりかねない危険なことなのではないかと感じる。

今回の一連の流れで、かつてのある事件を思い出す。
10年ほど前、マジックマッシュルームというキノコがあり、それもやはり法に触れないながらも幻覚作用や気分の高揚作用などがあり若者の間で流行していた頃がありました。
そんな中、現在も活躍している男性俳優が、マジックマッシュルームを食した結果、強い幻覚作用などに襲われてパニックを起こして外に出て助けを求めるという事件がありました。
その事件で話題になったマジックマッシュルームは、事件の直後と言っていいほど素早く法規制を受けました。
今回の流れととても似ているんですよね。

最後に、現在違法対象も含む、精神刺激系の薬物に対しては、こんな思い出があります。
学生時代からとても好きだった男性歌手が、大麻取締法で逮捕された時に感じたこと。
その歌手は、恋愛ソングをとても心に来る歌詞に乗せて歌う人でした。
「あの胸を打つ歌詞は薬物で高揚したものだったのか? 薬物に頼らなくても『恋』でいくらでもハイな気分になれるって信じてたのに」
そんな、裏切られたような悲しい気持ちになったことを今でも強く覚えています。